陸王 | 陸王の特徴

陸王の特徴 〜壊さないように乗りこなす事自体が難しい〜

陸王

戦前の陸王は軍需に頼っていたため、生産の中心は軍用サイドカーでした。しかし、戦後には日本人の体格に合わせ、それまでの物より小型の750ccモデルも生産を開始し、警察の白バイなどにも採用されました。
しかし、フロントのボトムリンク式サスペンションや後輪固定式シャーシなどを遅くまで使用するなど、シャーシ設計の旧弊さは後年まで陸王の弱点となりました。 また、ハンドシフト、手動進角、手動オイルポンプなどといった、戦前のハーレー独特の操作体系も末期まで変更せず、操縦法を熟知した者でなければ「壊さないように乗りこなす事自体が難しい」といった点も、後発メーカーの操作が楽な車種に追い込まれる要因となりました。


なお陸王が生産されていた年代にはエンジンのOHVレイアウトは実用化されており、1936年にOHVレイアウトの傑作エンジン「ナックルヘッド」を市販化したハーレー本社からOHVエンジンでの生産を勧められたのですが、サイドバルブエンジンが既に軍用車両で使われ実績があった為、あえてOHVを採用しませんでした。この事が、後にエンジンの高性能化を妨げる要因となり、後発メーカーの高性能で軽量な小排気量車両に押されるようになっていきました。
この事態を打開する為に、1952年には新規開発したOHV単気筒エンジン搭載のAB型(グローリー)を登場させ、その後250ccのFB型なども市場投入したのですが、品質にこだわりすぎた事が仇となり価格競争で他社に敗れました。

また、最後まで「陸王=ハーレー」のイメージを払拭出来なかった事もあり、大型車両中心の経営体質の改善につながる程の利益を出す事は出来ませんでした。