陸王 | サイドバルブ

サイドバルブエンジン

サイドバルブエンジン サイドバルブは、すでに旧式となりつつあるプッシュロッド駆動式のOHV(オーバーヘッドバルブ)よりも、更に旧式の機構です。吸・排気バルブがピストンの上ではなく、シリンダーの横に並んで上向きに配置されているのが大きな特徴です。これをクランクシャフト近くに配置されたカムシャフトで直接駆動します。
長所は、構造がシンプルなので、エンジン本体をコンパクトにすることができますし、エンジン内部の駆動箇所が少ないのでエンジンが丈夫になる事です。しかしその反面、燃焼室が横に長く広い形状になってしまうため、圧縮比を十分に上げることができませんし、熱損失が大きいのでバックファイアが発生しやすいなどの短所があります。 また、給排気の流れが悪く、火炎伝播にかかる時間が長いためエンジンの許容回転数が4,000rpm程度に制限されてしまうなど、最高出力が低くなってしまうというのが最大の弱点です。
これらの欠点を解消するため、レシプロエンジンの構造はOHV、更にはOHCへと進化して現在に至ります。

第二次世界大戦では活躍

サイドバルブエンジン ハーレー
第二次世界大戦当時の各国の軍用車両(日本軍の九七式側車付自動二輪車、アメリカ軍のハーレーダビッドソン・WLA、ドイツ軍のBMW・R12等)では、本国から遠く離れた戦地での劣悪な補給・整備事情を考慮し、登場して間もないOHVを差し置いてサイドバルブ付きエンジンが積極的に採用されました。
しかし戦後においては、OHVやOHCの爆発的な普及により、日本のオートバイでは1959年の陸王・RT-2の生産終了を最後にサイドバルブエンジンは姿を消しました。
現在では自動車・オートバイ用機関としては成立せず、用途は発電機やポンプ用、一部の管理機用などの汎用エンジンに限られています。